しろうと漆掻き(うるしかき)ズラズラ体験記

漆 うるしの木」から 樹液の漆 うるし を採取・取ること


平成18年(2006年)  実行

恥を覚悟で 次回のために

(資料参考 ー 部分抜粋)

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まず 体験後の想いを

漆掻きの途中から 「漆の木を植える」 という想いが

だんだん大きくなっていったのは不思議です。

多分そうなるのでは とも思います

新しい品や塗を創作して行くのは重要です。

そのためには 『樹液 漆』 はなくてはならないものです。

『漆の木』 が無いと 『漆掻き』 も・・・。 

掻く人がいないと・・・ 道具がないと
・・・。
    
一人の人間の小さな考えで「すべてをまかなう」というような

そんな大それたことではありませんが 

「うるしの木の植樹のページ」 も含めてそんな想いも追加できればと思っています。





ちょっとむずかしめの話を簡単に


漆の木は落葉樹で樹皮は灰色で梨肌をしており、雌雄異株で雌株は白い花房が密生して咲き

秋には硬い殻の実がたくさんなり、その実は木蝋の原料にもなる。

樹液の漆は、葉の光合成により作られ

樹皮と木部の間にある5ミリ位の厚さの白い部分の

維管束(いかんそく)というところにある漆液溝(うるしえきこう)を流れている。

そこを切ることにより、そのキズをふさごうとして樹液の『漆』が集まってくる。


最初にそれを何かした人は自然界の何かを見て考えたのでしょうか

何千年ともいわれる歴史の数えきれない多くの人々の試行錯誤の中で、

『漆器』 という大きな分野が、確実に今に伝わっています



漆掻き基本情報

採取時期  

6月から9月末くらい 3〜4日 間を開ける 


始めの1・2回は短い溝を彫り その場所に樹液を集まりやすくする

それから上に少しずつ長くした溝を彫り 1本の木にその場所を

数箇所造り 1回に1本の溝を彫って採取


採取時間 

 日の出前が良い 太陽がのぼり気温が上がると

木は水分を枝や葉に集めて身を守るため 樹液の出る量が減る 

曇天で暑く 後に雨になりそうな日が出る量も多いそう 


採取できる木の年数 

10年くらいで 直径10センチくらいに成長したもの


採取方法 『殺し掻き』 

ほぼ木全体に溝を彫って一シーズンで取りつくし 

木は伐採 翌年芽がでてくる


採取方法 『養生掻き』 

木を育てながら採取  根元からの養分吸い上げをさえぎらないように

らせん状に溝を彫る場所をつける




うるしの木   畑にある 漆の木


  
何回か採取
  
                    樹齢10年くらいの若い木なら 

                   上記に書いたように 灰色の梨肌状態 

                            この木は直径23pほど 

                                胴周り76pほど 

                                  樹齢は24年

 
                                 樹皮は結構厚い
 
うるしの木肌
皮を剥いた様子
  
溝を彫りやすいように 余分な樹皮をむく
 
  皮むき鎌ー左写真(参考)ーで皮むきをするわけだが

  無いので 草刈鎌 を使ったため 

  所々白い部分の維管束(いかんそく
まで出してしまった


  
ある程度の広さの樹皮を 剥いてしまう方法で始めたが

  一本だけなので後にその度ごとに樹皮を剥く方法に変えた

  


 
                    上― 掻き箆 かきべら

                溝から出てきた 漆 をすくい取る道具


                         下― 掻き鎌 かきかま

                             木に溝を彫る道具
 
掻き鎌と掻きべら
                         ―  掻き箆 かきべら ―

            先端を少し折り曲げてあり そこに漆をためて取る

                                 耳掻きのような


                           ― 掻き鎌 かきかま ―
    
                           先端のU字の刃で溝を掘り

                ツノ状の形のナイフで溝に切り込みを入れる
掻き鎌と掻きべらの拡大
掻き鎌で溝を彫る様子   掻き鎌で 木に溝を手前に引いて彫る

  ツノ状のナイフで 白い部分の維管束(いかんそく)に

  切り込みを入れる


  その日その場所に一本

  一本の木にそれを何箇所かつくる
掻き鎌で溝を彫る様子ーその2   あまり深くすると 茶色の木部 がでてしまう

                        ― 彫りクズ ―

                          上ー維管束(いかんそく)

             木にある自然な状態は 純粋無垢のきれいな

               少〜しクリーム色っぽい 白色をしています

                                おかしな表現?

                                   下ー樹皮
きれいな維官束
                        木もきれいな色をしています


                              シラタと樹皮の間に

                  維管束(いかんそく) があります

                        わかりますでしょうか
木の中の色具合
掻きべらで漆をすくいとる
  溝を掘って切り込みを入れると 漆が出てくる

  それを 掻き箆 かきべらで すくい取る
掻きべらですくいとるーその2   先端の折り曲げた部分に漆をためる


                                
チャンポ 漆ツボ

                             ―道具の参考として―

               掻きべら ですくい取った 『漆』 を入れる物

                          ホウの木の皮でつくるそう

                              腰にぶらさげられる

チャンポの写真
             チャンポは無く 山を駈けずり回らないので

                   直径10pほどの お椀に漆を入れた

             
                   これは樹液を集まりやすくするために

                  一番最初にキズをつけて出てきたもの

        水分が多く色もうすく ツケをみても 乾きませんでした

                        固形物は 木クズなどのゴミ
一回目の樹液ー漆ー
                        8月3日 採取した樹液 『漆』

                         この頃は 『盛漆』 といって

                                 良質であるそう 

                                    50gほど


8月3日の盛漆
             逆三角形っぽい黒くなっている何箇所かが

                                 採取した場所 

                                全部で11箇所

木に溝をつけた全体の様子
切株から新しい葉  
     19年7月3日撮影


 「漆掻き」を終了後 18年12月6日に伐採しました

 切株のまわりにある黒い部分が

 維管束(いかんそく)のある場所で

 樹液ー漆の固まった状態


 木の根元からは新しい「葉」が出ていました

 
漆の木の内部の拡大    19年7月25日 撮影

 伐採した木で


 樹皮維管束(いかんそく)ー木の内部 

 拡大部分を撮影してみました

 昨年12月に伐採してから 今年7月初旬頃まで

 畑においてありましたが まだきれいな色です

 でも自然な状態では もっともっときれい です


 店舗前に持ってきました



採取日  18年 採取量  木ー1本
1回目  7月10日 7ヶ所  5g  
  養生掻きの予定で らせん状 に彫る場所をきめた

  樹液は うすい色水っぽい  乾かない

2回目  7月14日 7ヶ所  10g   樹液は乳白色に
3回目  7月23日 8ヶ所  40g   有史以来の大雨のため 間隔が開いた  
4回目  7月26日 8ヶ所  30g
5回目  7月30日 8ヶ所  50g
6回目   8月3日 8ヶ所  50g
7回目   8月8日 11ヶ所  60g   殺し掻きに変更で 3ヶ所増やしました
8回目  8月12日 11ヶ所  50g
9回目  8月24日 11ヶ所  70g   なれない作業で腰痛で・・・
10回目  8月29日 11ヶ所  70g   今年は酷暑でした
11回目  9月3日 11ヶ所 70g
12回目  9月8日 11ヶ所  70g
13回目  9月15日 11ヶ所  60g   11日から雨も降り グッと涼しくなりました
14回目  9月21日 11ヶ所  58g
15回目  9月26日 11ヶ所 40g
16回目  10月15日 11ヶ所 45g
  漆掻きは9月までと 

  この時期の採取樹液は乾かない

荒味(あらみ)
ーゴミなど入った状態ー
 このくらい採取できました 
           
7/14〜9/26 合計

  728g


直径17p 高さ9p 

どんぶりに

採取日により

乾燥具合などに

微妙なちがいがありました


この位の量ですので

まとめました
まとめた漆ー728g


ちなみに通常使用している 中国産の生漆(きうるし) です    (別ウインドウで) 





どうなるズラ・・・  なんとかなるズラ・・・  と

二代目が畑に植えた一本をやっただけのことです

木も枝が張り結構大きくなっており
昨年 木曽漆器工業協同組合で植樹した漆の木で
漆掻き を3回ほど経験させてもらいましたし
漆掻きの道具も家にあり
7月初旬突然思い立って始めてみました
殺し掻きは樹液採取後 10年以上の年輪を重ねた木を切ってしまいます
漆掻きを思いつきみみたいな感じで始め終了はしましたが
この木の年輪とか 伐採する時はその時間とか 採取方法や時間とか 
自然とか  色々の背景とか

この木の樹液の漆をできるだけ無駄なく採取できるのだろうかとか
採取中は回を重ねる毎に 結構いろんなことを考えていました
 一掻きに掻きべらに溜まる量はホンのわずか
それが集まって 一本の木で一日の一回で採取できる量は約50gほどでした
実際に漆器製作作業工程において
その量は無駄にしている?ことが多々あります
行ってよかったのか・・・ どうなのか・・・。
判断は難しいところです
せめて採取した 樹液 『漆』 は大切に使いたいと思っています
植樹から10年後位に採取できるようなので
その間に色々が少し成長しているでしょうか
体力的には・・・?
来年 『漆の木』 を植える予定です
19年5月10日 植樹しました



漆掻きを行うにあたり その方法等につきまして

資料・文献等を閲覧拝見し参考とさせていただきました

 資料参考部分等を本ページに掲載させていただいております


 本ページの内容等は当方の想いや方法です
 

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