一枚の漆 |
一枚の漆 とは ガラス板につけて乾いた 「ツケをみた」 漆 と ― 左の写真 それをはがした 大きめの切手みたいな 乾いた漆 の集まりです ― 右の写真 うるし塗のページ の下段の写真 |
何かに うるしを塗る には ・・・ さて今から これにこのうるしを塗ろう ・・・ と思ってもできません ・・・ これにこのうるしを塗る ・・・ そのためには 色々と前もっての準備が必要になります |
その一つの重要なこととして うるしは 水分を吸収して固まり(乾くということ) 水分(空気中)は日々変動しています 乾かすための 「モロ」 と呼ばれる押入れみたいなところ でも水分の調整はします その塗る うるし の乾き具合をみるために ― (ツケをみる) 1〜2日くらい前から ガラス板に そのうるしをつけて 何時間ぐらいでどんな乾き具合になるかと それを 「モロ」 に入れ確認します 新聞紙ほどの厚さの中で(参考イメージ) 乾き が早かったり 塗る厚みが厚かったりすると 表面から乾いて(固まって)行きますので チヂミ という現象が出来てしまいます ― 写真の しわ のように ― 均一の厚みに塗ればいいのですが・・・ 天然の樹液で安定していない ということもあり 思うようになりにくく 少しでも厚い ところが チヂんでしまいます ・・・ うまい具合にいい風景に チヂミ があると面白い ・・・ チヂミ の部分は表面が乾いて(固まって)いますので中まで 固まる には 大きな状態は数ヶ月以上の期間を必要とします |
チヂミが出来てしまった部分は わずかであっても全面を塗り変えなければなりませんので その部分を取り除き 平滑にするために処置をし また塗るための作業などで 日数が必要となってしまいます その作業をして入る時は 情けなかったり くやしかったり ・・・ 乾くのが 早めのうるし 遅めのうるし を用意してありますので その時々で調合して 塗ってはいます 特に仕上げの 上塗り(塗立て仕上げ) の時の 日々の温度・湿度などの変動は 精神的 によくなく 梅雨前の5〜6月頃と秋の9〜10月位が 上塗り には適している時節です その分うまくいった時は ・・・・・ (それが フツウ ?) |