漆器のことや取り扱いについて


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木・紙・布・などの素地で色々な形を作り 

(素焼きの陶器 合成樹脂 ガラス 金属なども)

天然樹液の 『うるし』 を使って作業を施したり

『うるし』 そのものを利用したりしたものを

 『漆塗 漆器』 といいます


『うるし』 は漆の木に蓄えられている樹液で 木にキズなどがつくと

そこをふさごうとする 動物(人)でいう血液と同じようなもので

また それ以上のものでもあります


= 漆掻き(うるしかき)のページ も参考に =



自然界に共存する 動植物 『人』  『漆・漆器』 は同じように考えてみることができます



塗り上がって間もない 塗肌は あかちゃんの肌と同じように 

まだ やわらかく弱い状態です


長い使用に耐えられる状態ではなく 3ヶ月くらいより固める という期間を置いてから

使用を始めると良いといわれます ― 食器類など

漆はいつまでも 固まり続ける ともいわれます





熱いお湯などかかると 「やけど」 などする場合があります

漆器も 「熱さ」 はきらいます


 
汁椀はあたたかい味噌汁などをいれる器です

熱い状態の料理などの器として長い使用期間では 

「やける」 といって白っぽく変色してきたり

 細かいヒビ割れなど 生じることがあります

それはどうすることもできませんので そのような状態になりましたら

使用はお止め下さい


熱いお茶の入った 陶磁器の急須 を漆塗の台などに置きますと

やけて 白く丸い輪 がつくことがあります

急須台など使用され

用途により 熱い状態のものを直接触れさせること は控えてください


でも 『熱さを伝えにくい』 ですので

器を手に持って温かい料理を 口に運べますし

弁当箱のご飯などは相応の時間が経って冷めても 「冷たく」 はならず おいしく食べられます


フタ付の吸物椀は フタをして熱が逃げずにいいのですが

「すまし汁 おすまし」 の器としてのご使用をお奨めします




 風呂に入って体を洗うときは 

硬いもので ゴシゴシ は肌によくありません

また長時間湯船に浸かっていますと ふやけてきます


料理などの汚れの付着は 家庭用食器洗剤と柔らかいスポンジなどで

手洗いをして できるだけ早めに水分を拭き切ってください


食器洗乾燥機は 「高圧高熱のシャワーを浴びる」 ということでしょうか

 使用しないでください

また 電子レンジや オーブンなどにも入れないでください





紫外線は肌を痛めます


 
漆 も同じです 避けてください




四季の気候の変動で気持ちも変わります


木は湿気などの変動によって 「ねじれ」 や 「狂い」 が生じます

木製の漆器はそのような状態が現れる場合があります




使い方として 例ー1

漆器の皿と金属のナイフやフォーク 


 
肌に金属類などあたること を思えば控えたいですし 

やはり 木に漆塗の 「はし」 とか 「ナイフ」 が 音も見た目も和らかく 調和もいいです





使い方として 例ー2

漆塗の座卓・テーブルや家具類を保護のために ビニールをかけたりガラスを乗せておく


「体にラップを巻いた」 と同じような状態になります お止めください

 保護したい場合や飾りなどには

密着しない通気性のある 天然布 などをご使用してください




よく云われてきた 「うるしが丈夫だ」 というのは

 科学的な塗料や接着剤が使用される以前のことで

それらを一つ一つ比べると 劣るところは多々あります


それまでは色々混合させるにしても 自然界のそのままの状態のものだけでしたので

塗料としては 柿渋 に比べると 数段上ですし

接着剤としては 膠 と比べるとそれもそうです

自然界の中では より優れた接着剤・塗料になる 樹液 です

(化石燃料も天然ですが)


木・紙・布・などの自然材料で素地をつくり

漆作業を施したものは また 自然にかえすことができます


また 道具などとして使用して 劣化 キズ 欠損など生じた場合は

修理塗り替えでリフレッシュすることができます


取り扱いは 少々めんどうでしょうか

でも 自然 人 にやさしい 『漆塗・漆器』 には

少しのやさしさを持って扱ってほしい と思います


長い年月の中で整えられてきた 器などの形

そして 様々な個性のある 塗技法

年を重ねるごとに味わいも増してゆきます

その時わからなかったことが ある時わかる 

不思議な魅力が 『漆塗・漆器』 には潜んでいます

お気に入りの品などをみつけてみてはいかがでしょうか

お気に入りの品などご相談しつつ製作も致します


末永くご利用下さいますようお願い致します


上記の 漆器の取り扱い につきましては

 品物の 形成素地 下造り作業 使用目的方法頻度など によって違いがでます


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