木曽平沢の時代の変遷
令和5年(2023)7月 現在として コロナ禍がとりあえず過ぎ、第54回木曽漆器祭が縮小などの中、開催されました。 令和になってから急激に大きく変わった現象として、 十数年(それよりも?)前から、漆器従事者、漆器店の減少が、 顕著にみられるようになってしまっています。 木曽平沢は、長い年月の中で「漆器産業」という生業で形成されてきた街です。 木曽漆器の産地-木曽平沢地域内の当店付近、上町地区の表通りの45軒ほどにおいては、 ほぼ全軒といっても過言でなかった漆器産業従事者(軒)が、 「漆」 を扱うのは、「西チキリヤ漆器店」 1軒、 という 「今の状況」 です。 |
令和7年(2025) 1月から 街全体を「漆」のどこか甘さもある特有の匂いが溢れ包み込んでいた木曽漆器の街-木曽平沢。 思い返す、訪れた人々との話の中の一つ、 「この街の匂いは、漆の匂いですか、かぶれはいやですが、いいですね。」 私には生まれた時から当たり前にあり、初めて聞いた時は少々びっくりした記憶。 人口減少、空き家には、移住者、他の事業社。 動植物の外来種の影響は? 木曽郡楢川村(贄川・平沢・奈良井)は、平成17年、塩尻市と合併。 「街の漆の匂い」を知らない行政は、 中途半端なような移住者の受け入れを推進。 隣街にある、一大観光地、テーマパーク「奈良井宿」。 「右へならえ」の観光地化。 「外来観光産業従事者」の「その観光客」のための観光地化。 「私達の漆器」の「お土産化」。 「漆器に興味がある人」と「観光客」の違い。 漆器産業従事者以外の住民の生活、思い、考え。 街は賑わう?、街は荒れる?、心身の乱れ? 漆器製造者以外にはわからない感情。 奥底の住民を思う真相は。 マルシェとかシェアハウスとか、どこでも聞かれる同じような言葉。 生産者からすると本質は。 ここは、ここも地球に一つしかない特殊な工芸産地。 「漆器は穏やかな環境で作るもんだ」と思っている先住民族・在来種には戸惑うばかりの現状。 口達者な移住者はなぜなのか、漆器作りをしようとしていないような。 北海道、アメリカ大陸、オーストラリア大陸・・・。 漆を扱っていた住民には街のその匂いははっきりとはわからなかったけれど 街全体に溢れていた「漆」の匂いの数百年の四季折々。 漆の匂いが好きな人々が訪れてくれた街。 今は、対応できない漆器が多くなってしまった、寂しさ、つらさ。 その責任は私達にもあるのですけれど、 過去のように、ということではないけれど、 静かでいい、ゆっくりでいい、漆器産業の継続・発展、 本物、誇れる漆器を創り続ける想い。 冬の厳しい寒さは年毎に同じ温度でも寒さが増して行くけれど、 田舎の付き合い、良くも悪くも、わずらわしさ、も。 本音には、音や煙がなければ、駐停車なども。 漆器産業で作り上げられ、つながり、まとまり、漆器を作るには精神的にも最高最適だった街。 「漆の匂い」は変わることはないのでしょうけれど、 その匂いがしていた街は、もう終わってしまったかような。 入ってきてしまった、入れられてしまった外来種がはびこらないように、 この街の「匂い」はこれからどうなっていってしまうのでしょうか。 寂しさ、悲しさ、切なさ・・・。 先住民族・在来種・漆器製造販売者の「老害の憂い」と言われても。 現状は、「漆の匂い」は少なくなりましけれど、 以前のように、漆器はなんでも揃う というわけではなくなり、 対応出来かねる塗り物もあり、寂しさやつらさなど色々な感情が渦巻いていますが、 「漆の灯」が消えるわけではなく、少しずつでも右肩上がりになるよう、 何にしても、唯一無二「木曽漆器の街-木曽平沢」です。 豊かさ、暖かさ、柔らかさ、温もり・・・。 漆器産業従事者の努力はもとより、 世の中の皆様のお力添えをいただきながら、 「漆の匂い」のするこの街の継続、発展、末永くよろしくお願い申し上げます。 |
漆工町-木曽平沢のページ 楢川地域の人口、漆器組合員数のページ |
明治4年(1871) 廃藩置県 7/14 木曽の村々は名古屋県に 11/20 再編成 信濃は筑摩県と長野県 11/22 名古屋県の廃止 木曽地域は筑摩県に |
明治9年(1876) 8/21 筑摩県の廃止 木曽地域は長野県に |
明治12年(1879) 郡区町村編成法 1/4 木曽地域は西筑摩郡 贄川村・奈良井村(平沢) 他 |
明治22年(1889) 4/1 県政により 贄川村と奈良井村が合併 西筑摩郡楢川村となる (11町村) |
明治25年(1892) 平沢漆器組合設立 (現 木曽漆器工業協同組合) |
明治35年(1902) 4/27 楢川村区会は 贄川・平沢・奈良井の三区会を設立 |
昭和43年(1968) 1/1 平沢 大字となる 5/1 西筑摩郡を 木曽郡と改称 6/1 第1回 漆器祭開催 |
昭和50年(1975) 2/17 木曽漆器は 昭和49年制定の「伝統的工芸品産業の振興に関わる法律」により 通商産業大臣より『伝統的工芸品』の指定を受ける |
平成17年(2005) 平成の合併 4/1 楢川村は塩尻市に合併 長野県木曽郡楢川村平沢は 長野県塩尻市木曽平沢 となる |
平成18年(2006) 4/21 重要伝統的建築物群保存地区に選定される 漆工の町 木曽平沢 |
平成19年(2007) 4/1 旧楢川村立楢川小学校 と 同 贄川小学校が統合し 塩尻市立木曽楢川小学校 が開校 6/1・2・3 第40回 木曽漆器祭・奈良井宿場祭 開催 8/10 『木曽漆器』 は地域ブランド名として 特許庁商標権を取得する |
平成20年(2008) 5/24 漆の木の植樹 (木曽漆器工業協同組合) 奈良井川奈良井ダム上流左岸に200本 6/6・7・8 第41回 木曽漆器祭・奈良井宿場祭 開催 |
平成22年(2010) 5/2・3 漆郷諏訪神社 式年御柱大祭 寅年 6/4・5・6 第43回 木曽漆器祭・奈良井宿場祭 開催 |
平成31年(2019) 4/1 新元号 「令和」 発表 4/30 「平成」 の終わり |
令和 元年(2019) 5/1 発足 |
令和2年(2020) (昭和95年) 1月1日 塩尻市楢川地区 (旧木曽郡楢川村 贄川 平沢 奈良井)) 総世帯数 985 総人口 2362 昭和50年(1975) 木曽郡楢川村 世帯・人口 45年前 総世帯数 1201 総人口 4870 男 2429 女 2441 地区別 贄川 世帯 245 人口 989 男 477 女 512 平沢 世帯 505 人口 2101 男 1044 女 1057 奈良井 世帯 451 人口 1780 男 908 女 872 |
令和2年1月中旬頃より、中国の武漢付近が発生と思われる「新型コロナウイルス」が世界中に感染が広まり始める。 4月7日 東京都などに「緊急事態宣言」が出される 長野県の感染者は、この時点で14名。 塩尻市では、伊那市の信大生が発症。広丘の携帯ショップでアルバイトをしていた。 令和2年 6月5(金)・6(土)・7(日)日 第53回 木曽漆器祭・奈良井宿場祭 感染予防などにより 「中止」 となる。 4月26日 金毘羅様例祭も 神事 は執り行い 直会は 控える事になった。 6月7日 南原稲荷神社も 神事 は執り行い 直会は 中止 (漆器祭の中止により、例年より早くに行われた。 8月12日 夏祭り 神輿、屋台の御練りはなく、諏訪神社境内での参拝となった。 9月23・24日 竹祭り 立てかける「竹」、全軒ではなく、組長宅に立てかけられた。 10月17日 秋の漆器祭 オンライン開催にて、ユーチューブ、フェイスブックでの紹介が主となった。 |
令和4年(2022) 新型コロナ感染は中々収まらず、無症状や軽症の症状が多くなり、 7月頃からか、今までよりも感染者数が多くなってきていいる。 6月3(金)・4(土)・5(日) 第53回 木曽漆器祭・奈良井宿場祭 開催 コロナ感染により、2年間中止であったが、コロナ感染対策を行いながら開催。奈良井のお茶壺道中は中止。 7月29(金)・30(土) 漆郷諏訪神社 夏祭り 今年から、7月の最終の金・土に変更された。 神輿担ぎ手の若手が、お盆前の11・12日は休みが取りずらい、 12日は奈良井と重なり、宮司の仕事負担の軽減などにて。 増加傾向にあったコロナ感染の予防対策により、神輿、屋台は練り歩かず、お宮にてのお参り、となった。 |
令和4年(2023)4月1日 塩尻市立 楢川小中学校 開校 楢川地域の人口減少に伴う、児童、生徒の減少により、楢川小学校と楢川中学校を統合した 小中一貫校の義務教育9年生となった |
令和5年(2023) コロナ禍が収まりつつあり、行動制限も、ほぼ通常に戻った。 けれど、コロナウイルス そのものが 無くなったわけではない。 6月2(金)・3(土)・4(日) 第54回 木曽漆器祭・奈良井宿場祭 開催 漆器販売出店軒数の減少、シャトルバス運行が奈良井までは土曜日のみ、金・日は工芸館と旧役場往復のみ、 など、縮小傾向に。 8月 漆郷諏訪神社 夏祭り 開催 9月23・24日 竹祭り。 コロナ禍より、その年の隣組長宅のみに立てかける事に。 10月21日(土)・22日(日) 第11回 木曽漆器祭 開催 |
令和6年(2024) 1月1日(月) 16時10分 能登半島で、マグニチュード7.6 の地震発生。 能登半島や北陸地方の多のく方々が被災される。 当地でも、横揺れのような、回るような揺れを少し長く感じていた。 輪島塗に携わっておられる皆様も被災され、個人的や木曽漆器工業協同組合でも募金の募集を行う。 6月8(土)・9(日) 第55回木曽漆器祭・奈良井宿場祭 開催 今年は、漆器産業の現状、諸経費等の高騰を考え合わせ、例年3日間でしたが、金曜日を無くし、2日間の開催。 7月3日(水) 新紙幣の発行。 1万円・渋沢栄一。 5千円・津田梅子。 千円・北里柴三郎。 各肖像画。 8月2日(土) 通常開催 漆郷諏訪神社 例大祭 宵祭り 夜 花火打ち上げ 8月3日(日) 漆郷諏訪神社 例大祭 本祭り 10月5日(土)・6日(日) 第12回 秋の漆器祭 開催 県民参加型事業 「ヨヨヨイ」 と共同開催 |
令和7年(2025) |
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